2015.06.02
専業主婦は2億円も損!?「ママになっても働く」選択
結婚や出産を機に、仕事を続けるか否かを悩む女性は多いもの。
特に妊娠した段階で、産休や育児休暇をとって後々復帰するか、仕事を辞めて一度専業主婦になるかは、とっても悩ましい問題です。
子どもが小さいうちはなるべく側にいてあげたいのが本音、でもママになっても働いていたい! だけど保育園はどこも空きがない現実……。
ひとまず仕事は辞めていろいろ考えようかな、というママさん、ちょっと待って! 普段あまり意識していない生涯賃金のことを詳しく見てみましょう。
専業主婦になると、2億円以上も損をする?
こんなデータがあります。
平成17年度版国民生活白書によると、28歳で第1子、31歳で第2子を出産した場合、出産の度に産休を1年間取得して職場復帰すると、女性正社員の平均生涯賃金は約2億5,700万円。(大卒、60歳定年と仮定)
そこから、第一子出産までの賃金を差し引いても、単純に考えて、出産を機に仕事を辞めて専業主婦になった場合、実に2億3,500万円以上の損失となるという計算が……!
退職後、再就職した場合も、約8,000万の損失に!
一度退職して専業主婦となり、子どもが小学生に入る頃に再び正社員として働いた場合の生涯賃金は1億7,700万円。
正社員としてそのまま働き続けた場合と比べると、約8,000万円の機会損失となるようです。(以上、フィナンシャルプランナー豊田真弓さんの算出データより)
一見、子どもを持つ女性がフルタイムで正社員として働く場合、月の保育料や場合によっては延長保育代、ベビーシッター代などにかなりの金額がかかるように思いますが、長期的に見てみると、やはり働き続けた方が断然、生涯手にするお金は多いのです。
また、いろいろな計算法がありますが、子どもが生まれてから大学卒業までにかかるあらゆる費用を計算すると、約3,000万円にもなるという専門家の声も!
そう考えると、この生涯賃金の損失は大きな痛手といえそう。
可能ならば、やはり働き続けることが望ましい?
とはいえ、家族の協力や会社の理解なしには、子どもを育てながら働き続けることは難しいですよね。
「人生お金だけじゃない!」という声もごもっとも。
でも、もしも今正社員として働いていて、妊娠・出産を機に退職を考えている人がいたら、すぐに結論を出さず、まずは育休を取得して、実際に子育てをしながら今後のライフプランをじっくり考えてみることをオススメします。
ただし、産休・育休取得後そのまま復帰せずに辞める、なんていう手当てもらい逃げ問題があるのも現実。
休みに入る時期や復帰する時期に関しては、会社の上司や同僚に迷惑がかからないように、十分話し合って決めることが必要です。
ちなみに、子育てが一段落してから、パートやアルバイトとして働きはじめた場合でも、5,000万円程度の収入を手にすることが出来るという計算もあります。
一度仕事を辞めて専業主婦になった人も、何かスキルや資格などを取得しておいて、子どもが少し手を離れた頃に再び働き始めるのも、家計を助ける意味では良い方法かもしれませんね。
筆者の場合、結婚後は夫の転勤を機に正社員として働いていた会社を辞め、出産後は派遣で働いていた会社を辞めました。
現在は在宅で仕事をしています。今の暮らしに不満はないけれど、もしもあのまま正社員として働き続けていたら、と生涯賃金のことだけを考えると、ちょっぴり後悔も……。
女性は人生の節目ごとに選択肢が多く、いろいろと悩みますが、ぜひご主人や家族とも話し合いながら、じっくりと今後進むべき道を考えてみてくださいね。
文/水谷 花楓
参照/
SAFETY JAPAN「子供にかけるお金を考える会 第11回」
家庭のマネー学「仕事について」
PRESIDENT Online「専業主婦の子育ては、2億円以上の損失!」
All About「子どもを育て上げるのに3000万?」