2015.06.27
何が育休・産休促進だ!マタハラ体験談と現場の埋まらないギャップ
最近は、仕事を続けながら子育てをするワーキングママたちが増えています。
しかし産休・育休を取るにあたり、会社の対応に疑問を感じてしまうケースも少なくないようです。
そこで今回は、妊娠を報告した際、実際にあったマタハラや、会社からの対応に加え、同じ職場で働く同僚側からの意見など、リアルな声を聞いてみました。
育休制度のある企業は増加傾向にあるはずなのに…?
企業規模別に、育休制度が制定されている企業の割合を調べてみました。
■従業員5~29人・・・67.3%
■従業員30~99人・・・93.0%
■従業員100~499人・・・98.4%
■従業員500人以上・・・99.9%
育休制度を導入している会社が意外と多いことがわかります。
もっとも日本の企業全421万社のうち、87%が社員数20人以下の「小規模企業」です。
その割合を考えると、育休制度を設定している日本企業の割合は、67.3%に極めて近いということになります。一概にはあまり多いとはいえないのかもしれませんね。
産休・育休願い後のキビシーイ会社対応! リアルな体験談
では、実際に申請を出した際の会社側の対応はどうだったのでしょうか?
■上司に妊娠を報告すると「退職したほうがいいんじゃないかな」と言われた。その後も無言の圧がかかり、ストレスで体調を崩し休みがちに。
仕事自体は好きだったので、同僚に支えてもらいながら産後復帰。若干の理不尽を抱えながらも、頑張って働いています。(30代・メーカー)
■20数年働いた会社でリーダーのような役割を受けていました。
出産後復帰すると、「これまでのようにはもう働けないよね」と、仕事をまわしてもらえないなどの嫌がらせを受けるようになりました。現在も働き続けていますが、許せません。(40代・SE)
■女性社員の中にも産休を快く思っていない人もいて…「産休なんて取らずに、辞めたらいいのに」と言われました。なかなか理解してもらえず、悲しいです。(20代・営業)
■妊娠を報告したところ、上司から「もう同じポストには戻れないからね」と言われました。
私以外にも産休をとった人のことを「邪魔者」や「辞めてしまえばいいのに」と影で言っています。どこからどこまでがマタハラなのか、泣き寝入りするしかないのでしょうか。(30代・不動産)
妊娠報告後、「おめでとう!」と手放しに喜んでもらえないという悲しい経験をされたママたちも多いようです。
しかし一方で、産休・育休を取る側にも問題があるという声も……。
ちょっと待って! 報告された側の私たちだってツライ
■人数をぎりぎりでまわしている小さな会社なのに、突然「妊娠しました!」の報告。あなたはハッピーかもしれないけれど、私たちは仕事が増えるのが目に見える。(20代・技術)
■入社したばかりの新入社員がすぐに妊娠して、産休・育休。復帰してすぐに妊娠し、産休。
その間仕事が爆発し、ほかの社員の方たちが産休をとりづらい雰囲気に。本人はわかっているのだろうか。(30代・アパレル)
■妊娠発覚後、なんだかんだと体調を理由に遅刻や早退が増えた女性。無理をしてもしものことがあったらと、こちらもなにも言えない状態。
「妊婦なんだから、当たり前!」という態度はあまりにも感じが悪い。(30代・出版)
どれも心情的には、もっともなご意見ばかりです。
妊娠が嬉しく、舞い上がってしまうのもわかりますが、報告の仕方などには、少し冷静になる必要もあるケースもあるようです。
しかし、いずれにしても産休・育休を取る人間が責められる問題ではなく、その抜けた穴を埋めるための対策などが企業側にも不可欠です。
会社側は制度をただ導入するだけではなく、産休や育休が取りやすい環境の整備を、そして制度を利用する側は周囲に迷惑をかけないよう業務の引き継ぎをしっかりするなどの丁寧な気遣いといった、お互いが気持ちよく働けるような努力が、残念ながらまだまだ必要なんですね。
文/sesami
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