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【専門家監修】乳がん診断で欠かせない『マンモグラフィ』の安全性と有効性って?

先生教えて!ママたちが知りたい『マンモグラフィ』一問一答!

マンモグラフィについて、知らないことがまだたくさん! ママたちが気になる質問を解決してもらいました!

マンモグラフィの検査って痛いですか?

しっかりとした技術がある技師や医師が検査を行えば、ほとんど痛みはありませんよ。ただし、生理前後に胸が張りやすい方は、痛みを感じることがありますので、生理開始から1週間~10日頃の比較的乳房の張りがないタイミングでの検査をおすすめしています。

マンモグラフィは乳房だけではなく大胸筋も圧迫して撮影します。肩や腕の力を抜いてリラックスして検査を受けることで、筋肉を圧迫される痛みも半減し、診断しやすい良い撮影もできます。

検査を受ける際は安全な検査や診断が行える、乳がん検診精度管理中央機構が認定した機関を受診することが必要です。こちらから施設を検索できますので、参考にしてください。

妊娠中も検査できますか?胎児への影響は?

【専門家監修】マンモグラフィの安全性と有効性

Photo/palidachan/shutterstock

胎児は受精卵から人間の体へ発達していくために、お母さんの胎内にいる間に、猛烈なスピードで細胞分裂を繰り返しながら臓器や骨格神経を形成しています。

胎児が、がん細胞と同じくらいのスピードで細胞分裂をしているということは、がん細胞と同じくらい放射線によってダメージを受けやすい状況なのです。

したがって、妊娠中の検査は放射線の影響を避けるために、マンモグラフィではなく超音波検査など他の画像診断を使うほうが良いでしょう。

マンモグラフィ検査後に、検査時すでに妊娠していたことがわかり、お腹の赤ちゃんに放射線の影響は出ないのか心配される方もいますが、マンモグラフィで使用する放射線はほぼ乳房のみに当てていて、線量も一回当たり約0.1ミリシーベルトと少ないため放射線の影響もごくわずかです。

放射線は身体を通り抜けていく性質なので、体内に留まり赤ちゃんに影響を与える、なんてことはありません。安心してくださいね。

mamaPRESS世代(20代~30代 出産/授乳経験あり)におすすめの検査は?

乳房の中身は乳腺と脂肪から構成されており、若い年代の女性は一般的に脂肪より乳腺の方が発達している世代。歳をとり女性ホルモンが低下するにつれて乳腺は委縮し、その結果乳房内の脂肪の割合は増えていきます。

実はマンモグラフィは脂肪が多いほうが放射線が透けて見えやすいので、mamaPRESS世代の方たちはマンモグラフィではしこりが見えにくい年代といえます。

ただし実際に、乳房の中に乳腺が多いか脂肪が多いのかは、年齢にかかわらず個人差もあり、自分の乳房がどのタイプなのかを知るためにも初めての検診では、可能でしたらどなたも“超音波とマンモグラフィ両方”を受けていただきたいです。

そうすることで、次回からどんな検査をどのくらいの頻度で行うのが良いのか判断でき、自分に合った検診を受けることができます。

乳がんを予防する方法を教えてください!

乳がんができる原因は、いまだはっきりわかっていません。つまり、これをやっておけば絶対に大丈夫という確実な予防法は今のところありません。

ただし、かかりやすいかという危険因子(リスクファクター)についてはさまざまな研究でわかるようになりました。“乳がんになるリスクを下げる”方法は以下のとおりです。

  • 閉経後の肥満に注意する
  • 定期的に運動をする
  • 女性ホルモン剤の使用に注意する
  • 食事や睡眠のリズムを整え、規則正しい生活をする
  • 喫煙しない
  • アルコールを毎日大量に飲まない

乳がんの80%は、女性ホルモンが乳がん細胞の成長を促進させるタイプです。また、“授乳”は女性ホルモンの影響を受け続けていた乳房の環境をリセットし、リスクを下げると考えられています。

不規則な生活はホルモンバランスが乱れ、リスクとなってしまいます。なによりも健康的な生活を送ることが、病気のリスクを下げる方法です!

乳がん検査は怖くない!自分のため、家族のためにも定期的に検診へ!

【専門家監修】マンモグラフィの安全性と有効性

Photo/SewCream/shutterstock

子育て中のママ世代にも心配な乳がん。マンモグラフィを使った検査を行ったとしても放射線の影響はないことを知って、安心しました! 

乳がんを確実に予防する方法はありませんが、たとえ病気になっても早期に発見し治療をすることで乳がんに打ち勝つことができます。

早期発見と治療が乳がんに対する現在の最も強力な予防法といえるでしょう。そのためにはまず検診へ行くという行動が絶対に必要です。またいたずらに恐れるだけでなく乳がんを正しく知ることが、正しい予防や快適な治療のために大切です。

乳がんの検診や治療、乳がんについて学べる『ピンクリボンアドバイザー』という認定試験もあるそうです。

正しい情報と知識は、自分の身を守ってくれるだけでなく、またその正しい知識を周りの人と共有することで誰かを乳がんから救うことにもなるのです。男性も女性も自分や大切な人を守るために、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

マンモグラフィや超音波検査などの画像診断の進歩によって、乳がんが早期段階で発見できるようになった今、子どもの成長をしっかり見届けるためにも、ママだからこそ乳がん検診に行きましょう!

【取材協力/医師プロフィール】

【専門家監修】マンモグラフィの安全性と有効性


島田菜穂子 院長

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長。乳腺科・放射線科医師。2000年に日本初の乳がん啓発団体「認定NPO法人乳房健康研究会」を発足。ピンクリボンバッチ活動や出版、セミナー、イベントなどを通じて乳がんの正しい知識情報の発信など精力的に活動している。

 

参照/ ピンクリボンブレストケアクリニック表参道
認定NPO法人乳房健康研究会 ピンクリボンアドバイザー認定試験
日本医事新報社「マンモグラフィによる乳がん検診の手引き-精度管理マニュアル-第6版」

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