2019.03.21
政府が推進する『子連れ出勤』、反対の声は8割も!問題視されている点は?
今年1月、政府が職場に子どもを連れてく『子連れ出勤』を後押しするとの方針を発表しました。まだ具体的な施策は固まっていませんが、すでに賛否両論の声が挙がっているようです。
子連れ出勤は本当に働くママたちの助けになるのでしょうか? どのような点が問題とされているのかご紹介します。
政府が後押しする『子連れ出勤』とは
公表されるやいなや、その是非について多くの意見があった『子連れ出勤』。その名の通り、親が職場に子どもを連れて出勤できるよう、必要な設備などを整備していく政策です。
宮腰光寛少子化対策担当相が発表したところによると、子連れ出勤の普及活動や授乳施設の拡充費用として、自治体への交付金の補助率を引き上げるとのこと。子育て世帯がより働きやすい環境をつくることで少子化対策をしていく狙いもあります。
保育施設や保育士の不足など、“働きたくても働けない”というママが増えている今の日本では、一見親切な制度にも思えますが、実はこれに対して反対意見も多く挙がっています。
ビジネスニュースサイトの『Business Insider Japan』が20~40代の男女を対象に行なったアンケート調査によると、8割近くの人が『子連れ出勤』には“反対”と回答。「どちらとも言えない」と答えた人を含めると9割近くにのぼり、賛成と答えた人はわずか12%でした。
子連れ出勤はなぜ問題視されているのか?
反対意見も多い子連れ出勤ですが、どのような点が問題視されているのでしょうか。働くママたちからは、次のような2つの理由が目立ちました。
子連れで出勤や勤務が可能なのか?
ひとつは、小さな子どもを職場に連れて行ったところで仕事になるのか?という疑問です。実際に子育て経験があるママならすぐにイメージが湧くと思いますが、子どもはいつでもじっと大人しく座っているわけではありませんよね。
あちこち走りまわったり、大きな声で泣いたりするたびにママは子どもに気をとられてしまうし、周りにも気を遣わざるをえないことから「正直仕事どころではなくなるのでは?」という声がありました。
結局は母親の負担が増える
“子連れ出勤=母親が連れてくるもの”というイメージがどうしても強く、結局のところ負担が重くなるのはママばかり…というシビアな意見も。
もちろん子連れ出勤に関しては、母親だけでなく父親も子連れ出勤の対象となりますが、現実の問題としてどうしても母親が連れてくるパターンが多いのは目に見えています。
子どもと離れて仕事をする時間がリフレッシュにもなっている、というワーママも多い中、これじゃますます負担が増えるという声も頷けますね。
この他に、「保育園に預けられず働きたくても働けないというママが多い中、“子どもを職場に連れていきましょう”というのは結局何の解決策にもなっていないのでは?」という声も挙がっており、多くのママがこの政策を疑問視しているようです。
子連れ出勤、SNSでも反対の声が多数!
課題の多い子連れ出勤の制度ですが、SNSではどのような意見が挙がっているのでしょうか。ママたちの声を聞いてみましょう。
自営ママ数人で集まったときに、"子供が家にいる状態で仕事すると、子供からしたら「お母さんがいるのに構ってもらえない」と感じるし、自分たちも子供に我慢させて仕事しなきゃいけないし、お互いに幸せじゃないからつらい。子連れ出勤とか在宅勤務を推奨する人は実態を知らなすぎる"と満場一致だった
— クルクル (@krttn78) 2019年2月11日
子どもがそばにいる状態で仕事をすると、お互いに幸せになれない…という意見。確かに、子どもは親が近くにいれば当然構ってほしくなりますよね。ママたちにとっても、とても仕事に集中できる環境とはとても言えません。
#子連れ出勤 て、まさか、多いと1時間と持たず乳要求して、泣きわめき、オムツ何度もよごし、動けば書類破壊し、机によじ登り、電話の邪魔し、落書きしまくり、急に熱をだし、吐き散らし!とにかく自分の相手しないと愚図る子供を!まさか!オフィスで!?
— カニママ (@kanitokage) 2019年2月11日
子供含む全員が地獄見るのでは??
子育ての実態を十分すぎるほど知っているからこそ、想像したら恐怖…。こういった“子連れ出勤で想定されるデメリット“にもしっかりと目を向けて考えなければなりませんよね。
保育園に入れずやむを得ない時は子連れ出勤に賛成だけれども、子連れ出勤を推奨しその方向に国が支援するよりも保育園関連の整備に支援すべきだろ。何考えてんの?って意見です。
— さとちん*脊椎オパ3/10 (@owaseriyapie) 2019年2月1日
やむを得ない場合は子連れ出勤にも賛成としつつも、子連れ出勤をすすめるための支援よりも、まずは保育園の充実への支援の方が先。子育て中のママたちが求めているものはそこじゃない、という声もやはり挙がっていました。
賛同する声も一部ありながら、「子育て世帯の実態を理解できていない!」という厳しい意見が目立つ『子連れ出勤』。
子育て世帯が働きやすい世の中になるように制度の改革が進められていくのは、本来なら喜ばしいこと。『子連れ出勤』は働く親たちの現実に即した政策になるのか、今後も注目していきたいですね。
PHOTO/Creativa Images/shutterstock
参照/
JIJI.COM「政府、子連れ出勤を後押し=自治体向け交付金引き上げ」
BUJINESS INSIDER JAPAN「なぜ突然の子連れ出勤推進政策、アンケートでは8割反対。背景には人手不足という深刻。」
AERA.dot「政府の“子連れ出勤推進”に賛否「保育園の整備が先」の声も」
東京すくすく「国が推進する子連れ出勤に賛否両論…なぜ拒否反応を招いたのか」
mamaPRESS編集部
mamaPRESS編集部です!“「ママ」であることをもっと楽しみたい!輝きたい!”そんなママたちのために「ママ」が知りたい情報だけをお届けしています。mamaPRESSを読むことで、心に...
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